新生活はやっぱり光造形3Dプリンター

未分類

 お世話になっております。knotです。
 私はBlenderという無料で使える3DCGソフトを若干使用しており、その過程で(3Dデータ作れるなら3Dプリントもできるんじゃね?)などという安直な思考で3Dプリンターを購入した経緯があります。
 以前の記事でも少し書きましたが、3Dプリンターには大きく2種類あります。
①フィラメントと呼ばれる繊維(一般的には再生樹脂ですが、ゴムやらABSやら複数素材の幅があります)の管を熱してノズルから出して下から上に積み上げるFDM方式(世に浸透している〝3Dプリンター〟は恐らくこちらで、私が去年購入したのもこちら)。

②液体レジンの中で光を当てて硬化させ、宙吊り(逆さ)の状態で下から上に造形していく光造形方式(今回私が購入したやつはこっち)。

 この2つが存在します。(もっとあるかもしれませんが、家庭用レベルにまで技術が普及してるのはこの2つな気がします)
 どちらも一長一短ありまして、最初は私もFDM方式ってこんな簡単に3Dプリントできるんだ~!光造形は別に私は必要ないかな~?と舐めたことを思ってたんですが、FDM方式でプリントしていくうちに気になることが出始めました。

  • FDM方式は表面がイマイチ(積層痕が目立つ)
    →設定である程度は綺麗にできるんですが、FDM方式は全て「線」で作られています。平らな「面」に見える部分も、「線」の集合体です。ボールペンで一生懸命綺麗に塗り潰そうとしている感じというか…表面の平らな部分が一番目立ちます。一番きれいにしたい部分なのに…
    →ノズルを使用するという構造上、ノズルの細さに造形の綺麗さが依存します。細いノズルでプリントすればかなり綺麗になるんですが、時間は通常のノズルの3倍とかかかります。しかも細いノズルであっても万能ではないので、普通に積層痕はあります…(あと細いノズルでは推奨されないフィラメントもあります)
  • FDM方式は細かい/繊細な造形は向かない
    →購入した理由が「rnisのキーホルダー作りたい!」だったのでこれは後でわかったんですが、前述した通りFDM式3Dプリンターの造形クオリティはノズルの細さに依存します。多分現状で一番細いノズルは0.2mmだと思うんですが、キーホルダーに使う分にはいいけどもっときれいに印刷したいという欲が出ると0.2mmって太く感じるんですよね…「3Dプリンターってでかいものの方が得意なんだ」って後で気づきました。そりゃみんなでかいものプリントするわ…(収納用品やら花瓶やら、自分で寸法を決められるメリットがある造形物が人気です)
  • FDM方式は透明なものの印刷がイマイチ
    →これは本当に仕方がないんですが、FDM方式って例えば立方体を印刷したとして、中身あみじゃがなんですよ(インフィルといって、線で構成される都合上中身はみっしり詰まっていません。ヘチマみたいというか…)。なので透明できれいなフィラメントを使ったとしても、中身のあみじゃが(内部構造)部分が見えるので純粋な透明にはできないというジレンマがあります。レジン作品なら元々液体なので中身も全てレジンでキレイですが、FDMは構造が違うので…その代わり軽くて頑丈という利点があるので、メリットとデメリットが紙一重というか…
  • FDM方式では限界がある、と思ったきっかけ
    →「お揃いリング」を作りたいと思い始めたことがきっかけです。作れるんじゃないかと思ったというか、作るならFDMなら難しいかも、と思って色々調べたというか…リング自体は恐らくFDMでもいけると思うんですが、私がイメージする指輪って中にお互いのイニシャルが刻印してあるやつでして、(それはFDMだと無理だろうな~~~~)と思い…
    →あとは単純にキラキラしてるものが好きなので、なんかレジン磨いてキラキラしたrnisの指輪作りた~い!おもちゃみたいなやつでもイベントで装備できれば楽しそう~という欲が出てきて、光造形3Dプリンターを色々調べ始めました。

光造形3Dプリンター、情報意外と少ない
 色々調べて見ると、FDM方式の方が勢いがあるというか、選択肢の幅が広いように思います。まぁ楽しいですからね…自分でモデリングできなくても、オンラインに他のユーザーが作ったモデルが共有されているのでマシンとフィラメントさえあれば同じのが作れちゃいます。好きな色にできるし、画面上の物体が現実のものになるのは確かに楽しいです。
 それに比べると光造形を選ぶ人というのは恐らく基本用途はフィギュアで、他は私のようにFDMより細かいものを作りたいという人が行き着くような気がします。

光造形3Dプリンターを買ったという話
 前置きが長くなりましたが、ここからは光造形プリンターの購入記録も兼ねて光造形の方の話をしていきたいと思います。

 私が購入したのはELEGOOのMars5 Ultraです。
 この会社はFDM方式でも相当有名なはずなんですが、今やFDM方式はBambu LABがイケイケノリノリなのでどのメーカーもFDM方式では霞んでいる印象です。今からFDM方式の購入を検討されている方は、今の段階だと値段的にも性能的にもA1mini一択になると思います。YouTubeで検索してもそんな感じの結論になります。あとユーザーがすごく多いので参考記事と動画が潤沢なので、開封&設定動画もアップされてるので色々安心です。
 Mars5 Ultraを選んだ理由は価格と性能のバランス、あとはWifiでデータを飛ばせるという利便性です。これA1miniにもある機能で、本当に楽なんですよ。一回経験するとこれ以外有り得ない!になってしまう…!一応Mars5の上位機種というのも存在するんですが、さすがにオーバースペックかなと思いこっちにしました。多分光造形方式だったら、今一番選ばれてるのがこの機種なんじゃないかと思います。

置き場所、ない。
 私がFDMのA1miniをシンク下に置いているというのはもうお伝えした気がするんですが、Mars5 Ultraは靴箱の上に置かせてもらってます。もう本当に置く場所がないです。でも思った通り収まってくれてありがたかった。換気扇も近いのでそこにいてくれ…

いざテストプリント
 一緒に買っておいた、同社のレジンをだばぁしました。適量がサイトに書いてなくてどれだけ入れればいいんだろうと思ってたんですが、説明書に「3分の1以上MAX未満にしてね」と書いてありました。メーカーの商品ページに書いてくれてもいいんだよそういう大事なことは。

ミントグリーンのレジンをだばぁしました。測ったらこれで245gくらい入ってます。そこそこ必要か…

 同梱物の中にUSBメモリーカードが入っており、そこにテストプリント用のデータが入っていました。FDM(A1mini)ではテストプリントは船なんですが、Mars5 Ultraではチェスの駒みたいです。しゃれている。

2時間以上経った後…

ハ?

ハ???
 いや、途中から(え?何もぶら下がってなくない…?)と薄々思ってたんですが、やっぱ「無」になってた…
 光造形ではこの上の黒い鉄板部分に造形物ができていくのですが、最初が上手くいかなかったり造形物が重すぎたりすると造形物が落下してしまうという事故が起きるのはあるあるらしいです。後で見たらレジンの中から3mmくらいしかできてない残骸が出てきました。テストプリントなんだから成功して欲しかった…2時間以上かかったのに…(造形物の落下はエラー検知してくれないので気づかないと時間だけが過ぎていきます♪)もしかしたら最初の印刷だったのでレジン液が冷たかったとかあるかもしれないです。幸先が悪い。

もういい、昨日作ったrnisリングを直でプリントすっぞ!

 心のtntnにしか従っていない淫魔パロを上げた後にせっせと作った指輪のデータを印刷してみます。A1miniだとデータ飛ばすとそのまま印刷が始まるんですが、Mars5 Ultraではマシン内のフォルダにデータが飛ぶのでそこから選んで印刷開始になる感じでした。

ハ??

今そういうの求めてない。
 初期の推奨値でやってるはずなんですが、失敗している…!!宙吊りになる関係上、FDMより成功するか否かがシビアなのかもしれない。助けて。

~全然印刷が成功しないまま3日経過~
 3Dプリンターが届いたのは4/2でこの記事も同日に書き始めたんですが、何回も印刷に失敗し、労働もあったので1日に何回もチャレンジできず日数が経過してしまいました。

初めて「ビルドプレートに物体が残った状態」を拝めた(でも印刷は失敗している)

 ようやく成功した!と思ったんですが、指輪の輪の部分が潰れているので失敗です。ここまで来るの長かったんですが、ここからも割と長かったです。
 何度も失敗してわかったんですが、作るものが小さいので「できてるのか見えない」んですよね…機械の仕様的にもレジンの中に常にビルドプレートが浸っている状態なので、1時間程度でできる小さいものだと終わるまで本当に経過が見えません。失敗してビルドプレートから落下していてもエラーは検出されないので、終わるまでできてるのかわからないまま待つことになります。

ようやく完全体で印刷完了させられたやつ

 本当に、やっとここまでたどり着けました。あまりにも失敗するので色々調べて、レジンを温めたりビルドプレートを無水エタノールで拭いたり一層目の照射時間を伸ばしたりしたんですが、輪っかの部分で躓いてる気がしてそもそものデータを変えました。(ハートの部分に比べて輪の部分が華奢だから重み諸々が悪さをするのではと推測)

 輪の部分を太くしてみました。
 余談ですが3Dデータを光造形の3Dプリンターで印刷できるようにするためにはFDMと同様にスライスソフトが必要です(印刷設定ソフトと思ってください)。FDMのスライスソフトは流用できないので、CHITUBOXという別ソフトをわからないなりになんとなく使っています。やること増やす度に使用ツールも増えるのはどうすることもできない…

やっとできた…データ変えたらレジンあっためなくても普通に印刷できました。

 ようやく完全な状態で印刷ができました。
 嬉しい…!やっと次のステップに進めます!

近づくとこんな感じ。印刷綺麗だと思います。

光造形があんまりメジャーにならない一番の理由(推測)
 多分「面倒が多い」からだと思います。
 レジンを扱ったことのある方ならわかるかと思うんですが、レジンって「手軽な手芸♪」みたいな感じで売られてますけど全然手軽じゃないし安全でもないんですよね…素手で触っちゃダメだし、レジンの匂い(特に硬化中)は体に良くないです。ちゃんと硬化しないと一生ぬるぬるするし…
 手芸用のレジンは基本レジン液を型やらに使用→硬化→仕上げで終わると思うんですが、光造形のレジンは成型後に未硬化レジンを取り除く作業があります(多分ネイルとか一部レジンも未硬化レジンやジェルには気を遣うと思います)。かつて一番一般的だったのは強い洗浄成分のアルコールで洗浄する方法らしいんですが、かなり人体に有害なようで、今では水洗いレジンという水で洗浄できるレジンが一般的になってきています(私もそれを使っています)。が、この「水洗いレジン」はかなり厄介というか、水洗いレジンなのに水洗いできないんですよね。私も最初エ?と思ったんですが、水洗いレジンというのは「成型後残ったレジンを水で落とせる(アルコールは使わずに洗浄できる)」というだけで、「水道でバシャバシャ洗い流していい」という意味ではないんですよね…つまり、「未硬化のレジンを含む環境に害のある水を排水溝に流してはいけない」んです。これを知って、「え?じゃあ洗うのに使った水はどうするの…?」と思ったんですが、調べると「洗浄に使った水は使い回す」というのが正解のように言われることが多いです(そういう動画もいっぱいある)。日光に当てて水中のレジンを硬化させて無害化させるとか…私が最初に光造形3Dプリンターを調べ始めた時、この情報で「無理かも」と思いました。私にそんな排水の管理ができるわけがない。一応この世には水道でバシャバシャ洗える、超安全な本当の意味の水洗いレジンも存在するらしいんですが、値段が数倍します。諦めるしかないのか!?と思ってたところ、「水を固めるやつで固めて捨てればいい」という情報に辿り着いてようやく購入に踏み切れました。これちゃんと調べてないと普通に洗い流していいと勘違いする人いるんじゃないかな…
 FDMの3Dプリンター造形物は表面とかバリが気にならなければ後処理というものがほぼ不要なので、後処理必須の光造形の方がハードル高いよな~と両者を使ってみてわかりました。FDMはプリンターによって多色にできますが、光造形はガチ一色な上に基本は塗装などの後加工が前提なのでそこも好み分かれそうです。でも光造形は液体レジンの段階で色を混ぜられるのでそこは良いと思ってます。絶対絶対ターコイズブルーにしたいし…

硬化中

 3Dプリンターと一緒に買った洗浄/硬化の二役が果たせるMarcury3.0という機械で硬化させます。どう見ても機械がでけぇ。もう本当に本当に置くとこなくて、今のところ洗濯機の上に乗せてます。置けそうだったら食器棚の中に移動します(普通に置ける場所がどこにもない)。

サポートを全部外しました。ピント全然合わなかった
輪の部分頑丈にしすぎて明らかにゴツい

完成!!!
 ようやく完成しました。お揃いリングへの道が少し開けました!
 ただこの指輪、中指用にしようと思ったのに印刷したら小指サイズになってしまって…あれ??しかも多分長時間つけてると抜けなくなりそうなサイズ感。多分どっかで輪っかの内径をミスってる気がします。ハートの部分はサイズ通りに出力できてるっぽいので…
 サポートを外した跡も残るので、その辺も要調整かなと思います。でもFDMよりはサポートがキレイに外せるし跡を削るのもやりやすそうです。

感想
 光造形プリンターは思った以上に難しい…!
 印刷失敗の理由がわからないとか、そもそも印刷できてるのか見えないとか、CHITUBOXの使い方とか…両方やってみて、改めてFDMって楽だなーと思いました。よほどのことがないと失敗しないですし、失敗してもすぐにわかるから止められるしそもそもエラーで止まってくれるので…
 一応FDM用にデータを自作できる(blenderチョトワカル)+FDMのスライスソフトをなんとなくでも使えてFDMの3Dプリンターを使える状態なら光造形も理屈はかなり似てるので造形できそうです(できました)。もちろん光造形がそもそも不得手なことがあると思うので、その辺も今後試行錯誤していきたいと思います。イベントでおもちゃみたいな指輪とか頒布するのが今後の目標に加わりました。同人のことしか考えていません。
 興味ある方は是非チャレンジしてみてください!(音はかなり静かです。A1miniはずっとせわしなく動いてるのでプリンターくらい音するんですが、光造形だとはあまり動きがないので静かです)

Amazonで新生活セールやってたおかげで水洗いレジンを安く買えました。やっぱみんな新生活は光造形始めるんだな~(すっとぼけ)(FDM用のフィラメントも頻繁にセールになります。助かるけどセールになるのそこなんだ?)

タイトルとURLをコピーしました